「8年間、何をしていたの?」
2024年5月26日、新宿にお店を構えるヴィジュアル系専門CDショップのlittleHEARTS.でDuelJewelのインストアイベント(CD販促イベント)があった。
5月19日に行ったライブの感想を直接伝えられるのなら行くべきだと思い立ち、参加した。
前日まで青山で仕事していて、撤収で体力を使い果たしたのか午前中はぐったりしていた。
お店についたときにはメンバーのフリートークが終盤に差し掛かり、それぞれ締めの挨拶が始まったところだった。
お会計を担当してくれたお姉さんのネイルはちいかわのハチワレで、周りを見渡すとハチワレのぬいぐるみ多めの店内。
バンドのポップもCDと一緒にたくさん並んでいる。
ぱっと見てもすぐに手が込んでいるとわかるくらいストーンやラメがちりばめられたポップがたくさん並んでいた。
店内にはナグチャンパの香りが漂っていて、初めて行ったお店だったのだけれど個人的にとても「癒され空間」だった。
座ってメンバーの挨拶を聞いたのもつかの間、次はサイン会なので整列するようにと指示が出る。
サイン会はメンバーが横並びに座る中、一定の時間マンツーマンで会話ができる。
メインはサインをいただける、というところなのだけれど。
順番に流れていき、私もShunから始まりNatsuki、隼人、祐弥、ばるの順番で買ったばかりのアルバムの歌詞カードにサインをもらいながらライブの感想を要約して個人に伝える。
もう「勢いで会話を進める」ということが難しくなってしまった。
昔話を少しだけ。
初めてこのバンドのインストアイベントに参加したのは20歳くらい。今から約16年前のこと。
当初からドラムのばるさんが好きだった私はこの日のCD購入特典である2ショット撮影でばるさんを選んでいた。
いずみ「ウェーーーイ!」
ばるさん「ウェーーーイ!」
ノってきてくれる推し。
カシャ!
いずみ「ありがとうございました~」
「なに今の!サクラでしょ!!」とえらく笑っていたのは隣で撮影風景を観ていたゆーちゃんことギターの祐弥。
今こうして書くとよく覚えているなあとも思うけれど、ゼロ距離で近づく私、怖いからやめた方が良かったのではないかと思う。
ゆーちゃん、実は怖がっていたんじゃないかとさえ思う。
そうだったとしたら、あのときは怖がらせてごめんね、ゆーちゃん。
ノッてくれたばるさん、本当にありがとうございました。
さて、話は戻る。
推しのメンバー、ばるさんからサインをもらう順番になりサインをもらいつつお話ができる。
「8年間、何してた?」と聞かれて、ウッとなる。
8年経っても大して成長していない。
しかし、短い時間でもなく、私なりに色々あった。
その場では「会社員は辞めて、今度は別の業種でフリーランスになろうと思っています」ということだけ答えた。
「頑張ってね!」と応援してもらえて嬉しかった。
私の好きなばるさんの雰囲気がそこにあって懐かしい気持ちでいっぱいだった。
DuelJewelのライブに行った2016年3月以降、私は何をしていたっけなあと考える。
結婚、転職、不妊治療、カウンセリング通い、そして自分の”働き方改革”。
思い返せばライフイベント盛り沢山だった。
私は、自分の家族のことが苦手だ。
結婚式、出産(出産には至っていないけれど)に家族が自動的に関わってくるイベントを発生させたくなかった。
何していたんだろう?と思い出しきれないのを承知で過去を思い出してみた。
結婚、引っ越し、結婚式
田舎はゴシップがだーいすき。
「なんで彼氏がいないんだ」
「結婚は考えていないのか」
田舎出身だから、わざわざそう書いている。
面倒くさいことが大嫌いな私は周囲にお付き合いしている人がいることを伏せていた。
結婚するとなったときは電撃結婚みたいな感じで面白かった。
入籍、引っ越しと済ませ、結婚式は親族に頼まれたのですることにした。
打ち合わせは「全てパンフレット通りで大丈夫です」でトントントン、とすぐ終わった。
すぐ終わったのにはそれなりに理由がある。
私がそういうイベントへのモチベーションが低すぎてこだわりゼロであったこと。
しかし、式場で準備されているスタンダードなものがすでに上等なものだったこと。
全部これで大丈夫だ。
予算を決めてすべてその中に入るようにした。
せっかくお金をかけたし珍しいことだから、親族以外の人にも見てほしいかも……という気持ちになって
「お構いも出来ないのだけれどよかったら見に来て」と友人に声をかけたら、数人が都合をつけてわざわざ埼玉まで来てくれた。
友人、なんていい人たちなんだ!と思ったと同時に、あれ……?なんか、気持ちの変化が。
「楽しかったから友人も呼ぶくらいの規模で考えてもよかったな」と思った。
親族含めて10人だけの式だったので気を遣いまくりだったのだけれど「楽しい」と思えたのは友人のおかげだと思う。
その節はほんの少しの時間しかお話しできなかったのに、来てくれて本当にありがとう。
自分の考えが少しポジティブに傾いたことに違和感があったけれど、嬉しかった。
不妊外来、人工授精、通院終了
子どもは欲しいと思ったことがなかった。
それは家族関係に原因があると思う。
とにかく私は、家族が自動的に関わってくるイベントを発生させたくない。
しかし、夫とその両親と色んな会話をしていく中で少しずつ考え方が変わってきた。
子どもを望むのに出産費用も何も知らないとわかってキレたりもした。
そんな怒る自分も、考えがポジティブになりつつある自分も受け入れ、あらゆることに腹をくくりパートナーと不妊外来を受診。
不妊外来を受診する人の多さ、検査の痛み。
色んなことがこの世の現実だった。
夫は「自分は何もできないんだな」と嘆いていてちょっと面白かったけど。
中でも排卵促進剤(だったような)の注射は今まで打たれた注射の中で1番痛かったな。
痛かったし、効果はてきめんで、すぐ生理前のような体調不良になった。
最後の人工授精では、それでも妊娠しなかった。
次回から体外受精になりますが、どうしますか?と担当医に聞かれて中止することを決めた。
「”いつか絶対産む!”と躍起になってしまう日が来るのかもしれない」と考えると自分のことがとても怖くなる。
神の御業にかなわないことをしようとしても、どこかで歪ができてしまいそうだ、と思った。
いずれやめるときが来るけれど、気持ちの持って行き方みたいなものがあるのかなあと不妊治療を辞めた人たちの本を手あたり次第読んだりもした。
ただ、その人たちは体外受精を何度も実施していて、私はそこまで頑張れない……と思うだけで終わったのだった。
どこかの組織にいようとするのはやめた
これは我ながら思い切った選択だったと思っている。
生理が重い、会社の経営層と話が通じない、人工授精をするために会社を休みがち。
とっくに不妊外来への通院は終了していたが、生理は重く、デリカシーのない上級職に嫌気がさしていた。
ある人の目に悪い意味で留まってしまって「パートに戻るか、辞めるか」打診された。
退職勧告ではないと会社側は宣っていたけれど、実質そういうようなもので打診してきた部長に提案した人が誰だかも、知っている。
ここからさらに深掘りして話したいところだけれど面倒なことはごめんだし、今後一切関わりたい組織ではないのでやめておく。
こうして私は4年勤めた(私にしては結構長く勤めた)退職することを選んだ。
会社に貢献してきたつもりだったけれど、独りよがりだったらしい。
ぶっちゃけ、この1500日、ほぼ愚痴と怒りと課長への説教で埋め尽くされた日々だったので出勤前に決まって熱を出していた。
補足だが、説教をしていたのは私で間違いない。
課長はイエスマンだったから法律をしらないのに経営層に好かれ、課長としてそのポストにつき、承認印を押していた。
退職してからは発熱とか、嘔吐とか、そんなことはなくなった、最高。
不誠実な経営層=全体的に不誠実さが浸透している組織にいることに馴染めなかった私は組織にいたくないと強く思うようになる。
そして「生理のときに他の人のことを考える余裕がなくなる。通勤がつらい。でもできれば仕事はしたい、楽しいやつ」と考えてたどり着いたのがライター業だ。
生理は病院に行っても治るものではない。
マシになったりもするので婦人科に行くことはいいことだと思う。
だからこそ、うまく付き合っていくしかなくてこういう考えになった。
足を踏み出すと目新しく楽しいこともあるけれど、それを上回るほどの悔しいとか自分の文章力のなさとか、信頼をゼロから獲得していくことの大変さに絶望したけれど。
結局のところ私は8年の間に何をしていたのか
これは久しぶりに会った推しから言われた言葉である。
きっと、推しからしたら頭の中にポンと出てきただけで、話題になるのでは、と投げかけてくれたのだと思う。
まさか私がブログでぐるぐると考えているとは思うまい。
推しの疑問にすぐ答えたい!
そんな気持ちとは裏腹に私はえらく考えさせられた。
これでも、その時々で冷静に考えられるようになってきたと思っている。
その瞬間や状況で1番いい、と思った選択をしている。
やりたいことをやらないでいるよりも、やりたいことをやってみたけどダメだったと思う自分がいてくれた方がいいな、という思いでいる。
あの会社にいた4年間はもったいなかったと思う。
生活を軸に考えた結果だからしょうがないけれど。
8年間で成長していると思うし、少しずつだけれど、よりよい自分の人生をつかみ取るために前進できていると思う。
8年まとめてなんと表現しようか。
考えてみたけれど、最適解が浮かばない。
一言ではまとめられないくらいの時間を過ごしているのかな。そうだといいな。
これからも、濃い、濃い、日々を送っていくぞ。
次に会ったときに「8年楽しく過ごしてましたよ」って言えたらいいな。
8年も間を空けるつもりもないけれど。
誰に聞かれても「楽しく過ごしてます」と謙遜なしで言えるくらい楽しく過ごしたい。
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